アトリエ バロック フランセーズ

心身の調和と健康、芸術性を育むバロック音楽とダンスのアトリエ

フレスコバルディのトッカータ

こんにちは。



コンサートのためにチェンバロの練習を長い時間したあと、


一日の終わりにフレスコバルディのトッカータを、何も考えずに弾いてみると、


バッハにはない安らぎを感じて、心底感動し、リラックスできます。






その透明な美しさ、悲しみと祈りとが入り混じったような、


この上なく純粋な響き。





トッカータはプレリュードのような役割を持っていますが、


こんな風に練習の終わりのクールダウンのように、ただただ感性にまかせて弾くのも、またいいですね。



17世紀のイタリアのローマに旅している気分になれます。







音楽は、過去を体験できるタイムマシーンのようです。



フレスコバルディ、

是非弾いてみてくださいね




みなさま、どうぞ良い日曜日をお過ごしください。




今日も、お読み頂きまして、ありがとうございました。


スポンサーサイト

ダンスと演奏のコラボレーション

こんにちは。


今度東京のバロックダンスのクラスでダンスに伴奏をすることになっています。

昨日はその練習をしました。



曲は、リュリのオペラ「パエトン」のシャコンヌ。



シャコンヌとは、定旋律が果てしなく続く形の音楽で、組曲やオペラの最後に置かれていることも多いです。

作曲家はシャコンヌをどこまでも、変奏で作曲できるのですね。

一応終わりはありますが、曲はそういうわけで大抵長くなります。

例えばバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータニ短調 終曲シャコンヌ、なども長く壮大な曲ですね。



このリュリのシャコンヌは、とてもとても美しい曲です。

はじめは 「きれいな曲だな」 くらいに思っていたのですが、

弾けば弾くほど、パエトンの儚い運命を物語って繊細で壊れやすい束の間の魂の響きに聴こえてきて.....



リュリは、どうしてこんなに美しく曲を書けたのでしょう。



ところでシャコンヌパエトンのダンスは、10ページの舞踏譜が残っています。

こちらも暗記して、身体に覚えこませました。




さて、バロックダンスのクラスではピアノで伴奏をすることになっています。

それで、ピアノでパエトンを練習し、録音してみました。

そして、自分の演奏録音に合わせてダンスのステップを踏んでみました。



すると、不思議。



演奏では少し間をおいて、新しくフレーズが流れるように書かれている箇所が、

踊りでは、先に行かないと流れが止まってしまう。




逆に演奏では間をおかなくてもスイスイ先に行けてしまう所に、

ダンスのカデンス(フレーズの切れ目、呼吸を要する所) がありました。

早速楽譜にしるしを付けて、そこで少し呼吸を取るようにしました。




このように、ダンスと演奏が一体となると、曲の構造がよりはっきりと分かって行きます。




さあ、そしてクラスのダンサー達はそれぞれの意見を持っています。

つまり、そこでまた柔軟に呼吸の取り方や間合いを対応してゆくことになりますね。




これは、歌手やソリストの伴奏をすることに近いことではありますが、

ダンスは、身体の動きが要するテンポというのがありますので、

また違った間の取り方も覚えられます。




リュリの時代、ルイ14世治下では、きっとこんな風にダンサーと音楽家のやり取りが行われていたのでしょう。


とても楽しい作業ですし、勉強になります



今後このようなダンスと演奏のコラボレーションがどんどん増えてくるといいなと思っています。




今日も、お読み頂きまして、ありがとうございました。




スティーブン・スタップス先生の指導力

こんにちは。

先日、5月の演奏会のリハーサルをしました。

こちらも1歩ずつ、着実に進んでおります。


アンサンブルが上手くいくかどうかは普通の人間関係同様、
「話し合いが成立するか」

なのかも知れません。

ひとりひとり、自分の音楽的考えと経験を持っています。

ですので、誰かの意見に
「合わせている」

という意識は、おそらくアンサンブルのまとまりが次第に崩れていく原因になるかもしれません。

こういうことを上手に指導していたのは、ブレーメンの音楽大学でリュートの教授だった、
スティーブン・スタップス先生。

私は、彼の音楽、指導力、語学力、人間的暖かさ、その全てを尊敬しておりました。

スタップス先生は、絶対に生徒を否定しません。

ひとりひとりが熱心であることを、いつも暖かい笑顔で認める。
そして、何よりも彼の優れた 「演奏」 で、生徒を納得させてしまうという、物凄い先生でした。

私もそんな先生になりたいと、いつも指針にしています。

とにかく、スタップス先生の通奏低音の素晴らしさ。

リュートも、そして、チェンバロも。

アメリカ人の持つ、ステイブルなリズム感。

でも、呼吸と間あいが柔らかさを持っています。

だからソリストは気持ち良く歌ったり、楽器を奏でることが出来る....。

コンティヌオを弾きながら、瞬時にソリストの音楽的な気持ちをくみ取っていくのですよね。

アンサンブルのみんなで受けたレッスンでは、ソリストパートをまず一番に考え、
「ああ、君はここでこうしたいのだね。 Masami、だからここではコンティヌオはこんな風にして支えるんだよ。」

と、ご自分でチェンバロで弾いてみせながら、教えて下さいました。

最後にはスタップス先生も、リュートで通奏低音を弾きながら一緒にアンサンブルをして下さり、

それはもう一気に音楽が神がかっていき、みんなでバロック音楽の本物の素晴らしさを体験できたのです

スタップス先生は、バロック音楽巨匠のウイリアム・クリスティーと共演なさっておりました。

母国語の英語はもちろん、ドイツ語、フランス語、イタリア語、全部ペラペラ。

スタップス先生の故郷シアトルでの2005年のワークショップとファイナルコンサートでは、私もチェンバロの通奏低音で出場させていただきました。
そのときは、モンテヴェルディのオペラ、「オルフェオ」全幕を演奏しました。

先生の人間力、指導力、優れたテクニックと音楽性。

先生から頂いた沢山の貴重な学びから、今の自分のアンサンブル演奏に活かして生きたいと思います。


今日も、お読み頂きまして、ありがとうございました。



演奏会のご案内

こんにちは。

以前このブログでリハーサルの様子を書きました、5月の演奏会のご案内です。

東京音楽大学付属図書館主催の連続講座シリーズ、バッハの神学文庫特別コンサートに出演させて頂くことになりました。

詳細です。

ーマタイ受難曲ー
『歌えよ、この涙の谷で』

演奏:ソプラノ 中丸知美
    チェロ 根津要
    チェンバロ・バロックダンス 臼井雅美

日時:5月27日㈯ 15:30開場 16:00開演
場所: 東京音楽大学 J館スタジオ
入場無料
先着200名

omote (1)

ura.jpg

2016年から始まりました、バッハ研究者の丸山桂介先生によるマタイ受難曲に関する謎解き講座シリーズには、これまでに多くの知識人が受講されております。

この講座の内容を、今回は先生の講義の後に、演奏から捉えるという形をとりまして企画された催しです。

しばしばバッハの霊感の源になったペルゴレージの「Salve Regina」 には、典型的なバロック宗教的スタイルを保ちつつも、次の時代に活躍したモーツァルトの、特にレクイエム等に聴かれる和声を彷彿させるような色合いがあり、ドラマティックな展開が伺えます。

バッハのマタイ受難曲を再生させるべく努めた作曲家メンデルスゾーン。
しかしながら、彼を取り巻く状況は、バッハの時代のそれとは異なる難しさの流れの中での再演を余儀なくされ、必ずしも、バッハのオリジナルなマタイ受難曲の再現とはならなかったようでした。
 『メンデルスゾーン版』マタイ受難曲アリアでは、バロックからロマン派への時代の移行の中で、メンデルスゾーンによって描かれた装飾法演奏法の変遷、メンデルスゾーン的バッハの響きを再現いたします。

また、マタイ受難曲第1曲目を、それまでの固定されたイメージを一転させて舞曲として捉えた時、果たしてどのようにその響きは耳に、または目に映るのか...。
  これに関して、私臼井が振付を行い、バロックダンスのステップを踏みます。

その他、バッハにまつわるプログラムで、小さな曲の中にぎっしり詰まった内容の濃いパフォーマンスを皆様にお届けできますよう、出演者一同、一生懸命頑張ります。

東京音楽大学は、東京池袋の雑司ヶ谷地区ののどかな雰囲気の漂う一角にございます。
学校の後ろには、鬼子母神があり、土日祝日は多くの人が訪れます。
私は、ここの大木が好きです。
境内のベンチに座って木を眺めると、樹木から溢れるパワーを頂けるように感じます

是非、お越しくださいませ。

今日も、お読み下さりまして、ありがとうございました。



空間性と響き

こんにちは。

先月は、ヨーロッパとの結び付きに恵まれて、新たに色々再発見しました。

カタリーナさんとの出会い、そして、実はドイツから来日されたアーミン・ローベックさんというバロックチェロのスペシャリストのレッスンも受けていたのです。(詳しくはまた書きます)

私達はヨーロッパから輸入された芸術を学んでいるわけなので、どうしても、響きのセンスといいますか、歴史の中で培われた記憶、遺伝子的、環境的要素に左右されて、わからなくなることがあると思うのですね。

だから、CDやヴィデオではなくて、そういったネイティヴの生の演奏の響きに触れる機会を、出来る範囲で良いので持つといいなと思うのです。

なぜ、生演奏、生の響きなのか。

それは、響きというものは、空間が影響しているからです。

残響、アクスティックの長さと、質。
建物の素材によって、それは異なってきます。

そのことは既に昔、モーツァルトの父親のレオポルドが彼の著書に書いています。

空間性から作る、音の響き。

そのスケールの違いは、ヨーロッパを旅されたことのある方はすぐに想像できるでしょう。

大きさだけでは物語れないものがありますよね。

ヨーロッパの演奏家の響きを聴いていますと、もちろん自分が響きを作る、のですが、それは常に残響の長さとともに行われているように感じられるのです。

だから、スタッカートの長さも鋭い、ですね。
切った後に残響が助けてくれるから、それを考慮しているわけです。

ピアノで言えば、それは天然のペダルのようなもの。

特にイタリアの響きは、シャープで、軽い。

カタリーナさん曰く、それらは、イタリア語の言語の響きから来ているそうです。

そんな様々なイメージを思い出せたように思えて、私自身の練習にもとても役に立っています。

日本はヨーロッパではないけれど、追求しつづけていれば、きっと近づける。

そんな思いで、今日も練習しています。

今日も、お読み下さりまして、ありがとうございました。

FB_IMG_1491111638333.jpg
ヨーロッパの方々はこのような空間で演奏やダンスをしているのですよね


 | HOME |  »

プロフィール


臼井雅美

Author:臼井雅美
ピアノを東京音楽大学で、古楽をドイツのブレーメン芸術大学とフィンランドで学びました。
チェンバリスト、クラヴィコーディストです。
バロックダンスは、フランスで勉強してきました。
ピアノは大手楽器店、また個人の音楽教室でたくさんの子供たちを教えていました。

カーステン・ローフ教授によるプロフェッショナルチェンバリスト、通奏低音奏者資格取得

フランソワーズ・ドニオによるバロックダンス教授資格取得

ハノーファー・インリィングアで、ドイツ語資格B1取得

DELFフランス国民教育省フランス語資格試験B2取得

アテネ・フランセ フランス語上級試験合格

2002年東京音楽大学研究員
2005年~2011年東京音楽大学「音楽と修辞」担当助手
2005年~2011年くらしき作陽大学特別講師
バッハの学校講師

栃木県蔵の街音楽祭、岡山音楽祭、松山音楽祭出場

丸山桂介著「バッハ聖なるものの創造」(2011年春秋社)に、バロック運指法について記述、並びにクラヴィコードによるバッハ「インヴェンションとシンフォニア全曲」を収録。(ISBN978-4-393-93788-4C0073)

ソロ演奏会や日本や海外の演奏家との共演、レッスンを行っています。

猫とチョコレート、自然が大好きです。


最新記事



最新コメント



月別アーカイブ



カテゴリ