アトリエ バロック フランセーズ

心身の調和と健康、芸術性を育むバロック音楽とダンスのアトリエ

弦の長さからつくるデュナーミク

こんにちは。


昨日のレッスンのチェルニーのデュナーミクの話に続いて、

もうひとつ行った事を書きます。


それはデュナーミクを単純に 「音の大きさ」 だけで表現しない方法です。


何を意識するかというと、


「弦の長さ」。


これは、チェンバロを習ったことがあると実感するのですが、


チェンバロは、デュナーミクの変化をピアノやヴァイオリンみたいにつけられないのですね。


ですから音楽的に聴こえるようにするためには、たくさんの工夫が必要になります。


そのひとつに、


「弦の長さ」 による音色の違いを良く聴くこと、があります。


たとえば、真ん中の「ド」の音よりも 1オクターブ低い「ド」 の弦の長さは単純に2倍になります。


弦の長さを、頭の中に思い浮かべてみて下さい。


長い弦と、その半分の長さの弦。

8フィートと4フィート。


同じくらいの力で、指で弦を鳴らしたら、


長い弦のほうが短い弦よりも響くと思いませんか?




それを、ピアノの鍵盤に置き換えてみます。


同じ「p」 ピアノの強弱記号が、真ん中の「ド」 と、1オクターブ低い「ド」についていたら、


同じような弱さで弾いても、響きは全く違ってくるのですね。



この異なる響きをよく味わい、充実した「p」 ピアノの強弱を作ってみること。


ひとつひとつの音は、違った存在価値を持っています。


でも、楽譜に「f」 フォルテや「p」 ピアノを見ると、つい、


「強く」 、「弱く」


 と、思ってしまいませんか?


音の強弱は、そのフレーズが「喜び」 を表したいのか、「悲しみ、絶望」 または「諦め」 などの感情を表現したいのかによって、

意味も響き方も、全く変わってきます。



昨日は、ベートーヴェンのソナタの第1楽章であっという間にレッスンが終わりました。


響きのニュアンスを作っていくのは、忍耐がいりますね。


でも、生徒さん、レッスンの後はとびっきりの笑顔


「あちこちの疑問が晴れた!」


と、言って下さいました。


ああ、思ったように弾けていくお手伝いができるなんて...。


本当に嬉しいです


ベートーヴェンのソナタの、感情表現についても触れていきました。


続きは、また来月です。


美しいベートーヴェンのソナタに仕上がっていくことと思います。


☆~☆~☆~☆~☆


アトリエバロックフランセーズ

チェンバロ、ピアノ、クラヴィコード、バロックダンス

アトリエ整備中のため、ただいま出張レッスンのみで行っています

レッスンのお問い合わせは臼井までメールでお願いいたします。

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今日も、お読み頂きまして、ありがとうございました。



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チェルニーのピアノ奏法より・・・出張ピアノレッスン

こんばんは。

今日は出張ピアノレッスンをしました。


先日ブログで書いたベートーヴェンのピアノソナタです。


今日は、曲を弾く前に、チェルニーの「ピアノ奏法」教本の中の2小節の課題を弾いていただきました。

(チェルニー30番や40番、などの練習曲ではありません)



何の練習かというと、

強弱を、8段階に分けてつける練習です。



まず始めの一小節の中の8個の音をクレッシェンドします。

次の一小節の8個の音は、デクレッシェンドします。




音ひとつずつ、「p」 ピアノから、だんだん強く、だんだん弱く。



それが、意外と、難しいのですね。

だんだん強くはOK。

でも、だんだん弱くは、難しい。

途中で、ポコっと、音が強くなってしまったりします。



チェルニーは、この練習を、3つの段階に分けました。


① 「p」 ピアノから ふつうにクレッシェンドして、デクレッシェンドする。

② 「mf」 メッゾフォルテから 「f」 フォルテまで、クレッシェンドして、またデクレッシェンドする。

③ 「f」 フォルテから 「ff」 フォルテッシモまで、クレッシェンドして、またデクレッシェンドする。



これは、指のコントロールと、脳で音色をコントロールすること、この2つが訓練されます。




この訓練と同じことを私は、フィンランドでミクローシュ・シュパンニ先生から、クラヴィコードで習いました。



クラヴィコードは、そのデュナーミクの幅はピアノよりずっと小さいですが、常に美しい音でデュナーミクをつけるのはとても大変でした。



ベートーヴェンは、クラヴィコードで育ち、クラヴィコードの名手でした。


そしてそのベートーヴェンの愛弟子だったチェルニー。


チェルニーを学ぶことは、ベートーヴェンの考えを学ぶことなのですね。




今日のレッスンでは、この3つのデュナーミクの練習を30分くらいしていただいた後に、ベートーヴェンのソナタのレッスンをしました。



ソナタの中のデュナーミクをつける時にも、


このチェルニーの練習が応用されていることを、生徒さんの方から気がついて下さいました。


嬉しいですね


もちろんベートーヴェンの曲の方がずっと複雑に書かれているのですが、


まず単純なところでしっかり訓練すると、複雑になってもちゃんとできるのですね。



デュナーミクを付けるヒントは、またチェンバロの観点からも教えて行きました。


これはまた、次回に書きますね。



今日も、お読み頂きまして、ありがとうございました。



次回の出張ピアノレッスン準備・・・ベートーヴェン

こんばんは。


ただいま次の出張ピアノのレッスン準備中です。


大人のためのピアノレッスンです。


次回はベートーヴェンのソナタをレッスンします。


私はベートーヴェンが幼少期にチェンバロやクラヴィコードで音楽教育を受け、それがベートーヴェンのテクニックの基礎を築いていることにポイントを置いてレッスンをして行きます。


現代ピアノはタッチがイギリス式で作られているので、ベートーヴェンが長い間所持していたウィーン式ピアノのアクションとは異なる感触になるのですね。


ウィーン式ピアノはクラヴィコードの構造に近いピアノですから、ベートーヴェンの作曲の着想が反映されていると考えられています。


それから、ベートーヴェンその人を形成した、ボン時代の歴史背景を知ることもとても大切なことです。


ベートーヴェンがリュリやモリエールのオペラに相当親しんでいたこと。

自らもオーケストラに加わって演奏していたこと、など。



そういう細かな知識も、イメージを作るには有効ですよね。



さて、演奏するには、まず楽器をマスターしなければ弾けませんよね。


フォルテピアノ、あるいはピアノフォルテ。


その多様なデュナーミクは、アフェクトから響かせられなければなりませんね。


難しく聞こえるみたいですが、テクニックのために練習するテクニックよりも、はじめから音楽的に作って行く方が、早道ではないかと考えています。


演奏する方が、思ったような響きに近づけるためのお手伝いをさせていただけましたら、嬉しいです


頑張ります。



今日も、お読み頂きまして、ありがとうございました。




次の出張レッスンに向けて・・・ベートーヴェンピアノソナタ

こんにちは。

次の出張レッスンは、大人のピアノの方です。

こちらの生徒様は、レッスンを2年ぶりに再開されます。

私は、バロックの視点から他の時代の音楽を捉えていく、という方針をとっています。

レッスン曲目は、ベートーヴェンのソナタOp81-a、告別ソナタです。

このソナタの構造、「別れ」「不在」「再会」の通りに生徒様と喜びの再会が待っているようで嬉しく思います。

ベートーヴェンをきちんと解釈するためにも、やはりバロック音楽の知識が必要になります。

なぜならば、彼もまた、幼少からバッハをはじめとするバロック音楽を基礎として音楽を学んだのですから。

故郷ボンでクラヴィコード奏法を基礎にして育ち、ウィーンでモーツァルトやフンメルなど新しい世界に触れたベートーヴェン。

特にベートーヴェンに関しては、彼のボン時代についてをしっかり学ぶことが、彼の音楽を正確に把握する第一歩となるようです。

ベートーヴェン時代のボンの様子を知ることも大切ですね。

歴史をひも解くのは大変なことですが、面白いことでもあり発見の連続です。

偉大な音楽家ベートーヴェンに、皆様どんなイメージを抱いていますか?

耳が聞こえなくなっても作曲を続け、あるところではバッハを凌ぐ程のハーモニーで人々を感動させた人物...?
癇癪持ちで、引っ越しが多かった気難しい男性...?

ベートーヴェンに関しては一度に書ききれないほど沢山のエピソードがありますが、ここでそのひとつを挙げますと、何しろ小さい頃から音楽教育に熱心だった父親の方針にひたすら真面目に従っていた彼は、一般の学問の教育をあまりきちんと受けられなかったそうです。

そのために、ベートーヴェンを知る手掛かりになる会話帳には綴りの間違いもかなり目立っていた、という話で...。
ベートーヴェン自身、とても劣等感を抱いていたそうなのです。

あの偉大な方にも、劣等感なんてあったのですよね。

そう思うと、何だかベートーヴェンも身近な人物に感じられませんか?
彼や彼の作品についてもますます知りたくなりますよね。

貞淑で愛情深かった、ある意味ではベートーヴェンにとっての理想の女性だった母親の死。
続いてベートーヴェンが可愛がっていた妹のわずか一歳での死。
度重なる借金や、失恋。

告別ソナタは、中期以降の作品ですが、こういったベートーヴェンにとっての決定的な悲しみや絶望が彼の心を生涯支配していたことを私たちは容易に想像することができるでしょう。

ベートーヴェンは生涯孤独な人生を送りました。

でも、彼の響きは悲しみに埋もれていないのです。

むしろ光に溢れ、私たちに希望と勇気をもたらしてくれます。


*****

アトリエバロックフランセーズでは、チェンバロ、クラヴィコード、ピアノ、バロックダンスのレッスンを承っております。

只今、アトリエを整備中の為、出張レッスンを行っております。

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今日も、お読み下さりまして、ありがとうございました。


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プロフィール


臼井雅美

Author:臼井雅美
ピアノを東京音楽大学で、古楽をドイツのブレーメン芸術大学とフィンランドで学びました。
チェンバリスト、クラヴィコーディストです。
バロックダンスは、フランスで勉強してきました。
ピアノは大手楽器店、また個人の音楽教室でたくさんの子供たちを教えていました。

カーステン・ローフ教授によるプロフェッショナルチェンバリスト、通奏低音奏者資格取得

フランソワーズ・ドニオによるバロックダンス教授資格取得

ハノーファー・インリィングアで、ドイツ語資格B1取得

DELFフランス国民教育省フランス語資格試験B2取得

アテネ・フランセ フランス語上級試験合格

2002年東京音楽大学研究員
2005年~2011年東京音楽大学「音楽と修辞」担当助手
2005年~2011年くらしき作陽大学特別講師
バッハの学校講師

栃木県蔵の街音楽祭、岡山音楽祭、松山音楽祭出場

丸山桂介著「バッハ聖なるものの創造」(2011年春秋社)に、バロック運指法について記述、並びにクラヴィコードによるバッハ「インヴェンションとシンフォニア全曲」を収録。(ISBN978-4-393-93788-4C0073)

ソロ演奏会や日本や海外の演奏家との共演、レッスンを行っています。

猫とチョコレート、自然が大好きです。


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